暮らしのそばにあり続ける、KAY BOJESEN
佐藤商会
1. KAY BOJESEN — 暮らしのために生まれたデザイン

デンマークを代表するデザイナーのひとり、カイ・ボイスン。
愛らしい木製のモンキーを思い浮かべる方も多いと思いますが、彼の原点は銀細工にあります。
1910年に銀細工師としての道を歩みはじめ、その後、木製玩具やカトラリー、テーブルウェアなど、実に幅広いものを手掛けました。
興味深いのは、作品の種類がこれほど違っていても、どこかに同じ空気が流れていること。
余計な装飾を加えすぎず、手に取ったときに自然であること。
使う人の暮らしから離れないこと。
そして、ほんの少し気持ちを楽しくしてくれること。
眺めるためだけのデザインではなく、きちんと人の生活の中に居場所がある。
私たちがKAY BOJESENに惹かれるのも、そんなところなのだと思います。
長い歴史を持つデザインでありながら、決して仰々しくない。
むしろ毎日の暮らしの中に置いたときに、その良さが少しずつ分かってくる。
KAY BOJESENは、そんなブランドです。


2. MONKEY — いつの間にか、そこにいる存在

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1951年に誕生した、KAY BOJESENを代表する「MONKEY」。
実はこのモンキー、最初からオブジェとして考えられたものではありません。
子どもでも手が届く位置に衣服を掛けられるようにと、長い腕をフックとして使う発想から生まれたとされています。
そう聞いてから改めて眺めると、この独特なプロポーションにもきちんと理由があることに気づきます。
けれど、機能から生まれたものなのに、どこかユーモラス

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個人的にモンキーの魅力は、「飾らなければ」と考えなくてもいいところにあると思っています。
棚の端に座らせたり、腕を引っ掛けたり。
少し向きを変えるだけでも、表情が違って見える。
完成された彫刻を鑑賞するというより、暮らしの中で一緒に過ごす感覚に近いのかもしれません。
代表的なチークとリンバのモデルは、天然木ならではの色や木目の違いがあり、光や空気に触れながら色合いも少しずつ変化していきます。
新品の美しさだけではなく、時間が加わっていくことまで含めて楽しめる。
70年以上経った今も愛されている理由は、造形の完成度だけではなく、こうした人との距離の近さにもあるように思います。


3. GRAND PRIX CUTLERY — 毎日使うものだからこそ

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木製のモンキーとはまったく違う表情を見せてくれるのが、カイ・ボイスンの「GRAND PRIX」カトラリーです。
原型となる銀製カトラリーは1930年代に生まれ、1951年のミラノ・トリエンナーレで最高賞にあたるGrand Prixを受賞。
その賞の名が、現在まで続くシリーズ名となりました。
特徴的なのは、デザインそのものを必要以上に主張させていないことです。
カイ・ボイスンが考えていたのは、カトラリーは食卓の主役ではなく、食事を楽しむための「道具」であるということ。
だからこそ、手や口に自然に馴染むことを大切にしながら、それぞれの形が整えられています。

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実際に手にしてみると、その考え方がよく分かります。
派手な意匠があるわけではない。 けれど、持ったときの収まりや、テーブルに並べたときの佇まいがとてもきれいです。
毎日使う道具は、あまりに個性が強いと、時として少し疲れてしまうことがあります。
GRAND PRIXはその反対。
料理や器の邪魔をせず、それでいて食卓全体を静かに整えてくれる。
1953年には、より日常的に使える素材としてマット仕上げのステンレスモデルも登場しました。
特別な日のためにしまっておくのではなく、朝食にも夕食にも、何年も使っていく。
そういう付き合い方がよく似合うカトラリーです。


4.MONKEY KEYCHAIN — 小さくなっても、ちゃんとKAY BOJESEN

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そして、今回個人的にも気になっているのが、モンキーをモチーフにしたキーホルダーです。
KAY BOJESENの魅力をもっと気軽に、日常へ連れ出せるアイテム。
モンキーの特徴的な顔を小さなサイズに落とし込み、鍵にはもちろん、バッグチャームとして取り入れることもできます。
こういうアイテムは、ともすると単なる「名作のミニチュア」になってしまいがちですが、これは不思議とそう感じません。
バッグに付けてみると、少しだけユーモアが加わる。
けれど、子どもっぽくなりすぎない。
その絶妙なところに、やはりKAY BOJESENらしさを感じます。
家の中に置いて楽しんできたモンキーを、今度は外へ連れていく。
そんな感覚で楽しめるのも、この小さなキーホルダーの面白さです。
デザインが好きな方へのちょっとした贈り物としても、KAY BOJESENを初めて手にする方の入口としても、良い存在だと思います。


5. 時代が変わっても、暮らしとの距離は変わらない

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片方は木製の動物で、もう片方は食事のための道具。 見た目も用途も、まったく異なります。
それでも両方に触れてみると、不思議なくらい同じ人がつくったものだと感じます。
使う人を置き去りにしないこと。 素材を素直に扱うこと。 そして、機能だけで終わらせず、暮らしの中に小さな楽しさを残すこと。
カイ・ボイスンのデザインには、そんな姿勢が一貫しているように思います。
「名作だから」という理由だけで選ぶのではなく、 実際に使って、触れて、一緒に時間を重ねてみたくなる。
モンキーにはモンキーの、 カトラリーにはカトラリーの、 それぞれ違った暮らしへの入り方があります。
何十年も前に生まれたものが、今の私たちの生活にもすっと馴染む。
KAY BOJESENの魅力は、もしかすると、その自然さにあるのかもしれません。